きっかけ
2021年の夏〜初秋にかけては駅スタンプや入場券集めに精を出し、必死になって各駅を回っていたが、一段落したところで自分の行動に対して疲れや飽きが生まれはじめていた。1ヶ月以上どこにも行かずに過ごしていた中、飛び込んできたのが津和野駅の無人化の知らせだった。津和野駅は絶対に行っておかなければ!という思いと面倒だと思う気持ちがせめぎ合った結果、観光などしてゆっくりした旅を楽しめばいいじゃないか、という考えに至った。そこで、巡れる駅の数は少なくなるが、兼ねてから乗ってみたかったSLやまぐち号に乗って乗り鉄としての初心を思い出そうということに。
往路
まず新山口駅に着いた私はさっそく津和野行きのSLやまぐち号に乗車。往路では何度も乗っているという地元の親子連れの方と相席になり、その魅力などについて少々お話をした。車両はJR西日本が2017年に新造した35系客車で、旧客のようなレトロな雰囲気ながらもコンセント付きで快適だった。そうして沿線からSLに向かって手を振る人達の姿を眺めながら津和野へ向かって北上した。
駅めぐり&観光
津和野駅に着いてからは前もって計画していたように石見交通のバスで日原駅まで往復して入場券を買いに行った後、再び津和野駅に戻ってきた。そして津和野の町並みをゆっくりと観光した。
徳佐駅へ
津和野駅前からバスで徳佐駅近くへ。しかしバス代をケチるために1つ前のバス停で降りたのが仇となった。徳佐駅前で降りていたら間に合っていた窓口の営業時間から数分過ぎてしまったのだ。自分の確認不足を嘆くもどうしようもない。駅員さんに声を掛けたところ、POSは締め切ってしまったようで入場券は買えなかったが、心優しくもスタンプなら大丈夫と貸して下さった。
そして異変
そうして徳佐駅のスタンプを押した後、駅の椅子に座っていたところ異変が起こった。何やら外が騒がしいのだ。少し耳を傾けるとタクシーでやってきた人達がそのまま津和野に行くかどうか、ということで話し合っているようだった。声を掛けて詳しい話を聞くと、SLやまぐち号に乗りに来たものの、信号トラブルで列車が打ち切りになり、タクシーで代行してきたとのことだった。途中の徳佐駅まで来たが、津和野まで行っても間に合うかどうかと悩んでいたようだ。と言っても鉄道に詳しい方々という訳ではなく、スマホで調べて徳佐駅が停車駅かもしれない、とぼんやりと分かった程度で本当にSLは停車するの?と不安を抱えていたようだ。そこで徳佐駅からSLに乗車予定だった私がきちんと停車することを伝えた。この時点ではSLやまぐち号は津和野駅を発車していなかったため、遅れる可能性もあれば定時で来る可能性もあった。その方々が津和野駅まで行くかの判断は委ねたが、個人的にはここから乗ったほうが良いと思うということは伝えたように思う。
そしてしばらくしたら、SLが津和野駅を定時で発車したことが西日本の列車走行位置で確認できた。津和野駅まで行っていたら確実に乗り遅れていたところなので、良かったですね〜と言い合いながら談笑した。各自どこから来たのか?という話になった。たまたまSLを見かけたから気になって一度乗ってみようかなと思ったという北九州から来たご夫妻と、東京からふらっとSLに乗りに来た学生さんとだった。津和野に向かっていたのに途中駅(宮野駅だったかな?)で打ち切りになってそのご夫妻と学生さんは目的が同じということで同じタクシーに乗せられたらしかった。逆に私はスタンプ集めなどをしに来たことを伝えると興味を示してくれたようで、さらに会話が加速した。そんなこんな話をしているうちにあっという間にSLが来る時間に。ホームに移動しSLの到着を待った。往路は子供連れがとても沢山いて賑やかだったため、津和野駅から乗ったら人が溢れているだろうと言った。今回は津和野からは乗れなかったものの、徳佐駅という小さな趣きある駅からたった4人だけのこの静けさや田舎の雰囲気を味わいながらSLを迎えるのも乙なものですよね〜と話した。
復路
復路は往路とはまた違った雰囲気となった。というのも、復路では列車後ろの展望室に入ることができたためだ。徳佐駅でたまたま一緒になった方々とは荷物を置きに各自の席に行ったためバラバラになったが、自然と最後尾の展望室に集まっていた。もう一人の学生の方はSLの煙の匂いが素晴らしいと力説されていた。風も気持ちよく景色も良いし、乗って良かったですね〜と言い合いながら会話を楽しんだ。
ご夫妻とは山口駅でお別れをし、学生の方とは新山口駅までご一緒した。最後はお互いにお礼を伝えて解散となった。
この体験は旅先で出会った人と話をすることの楽しさをとても深く感じられる貴重な経験となった。何より自分自身楽しい気分で帰宅することができたのでした。(終わり)
ここまで読んで頂きありがとうございました🙇
コメント